本来の合気道は認め合いから始まる。
認め合い、許し合い、与え合う、これが合気道です。
触れ合う前に勝負を決める“入身一足”の理合をベースに、独自の理論を展開。武術を根源としながらも破壊、闘争にならない開祖の合気道を目指し、研鑚を重ねてきた西尾師範の、50余年に及ぶ修行の集大成!
技の一つひとつに著者の理念を込めた、従来の武道書には稀有な技術解説書(日英対記版)。
総論では、許す武道・合気道の理念を体現するための三つの重要な要素「入身」、「当て」、「禊の剣」の技術について解説、技術編では、各技の意味、重要な理合 、 そしてそこから学べる開祖の心と技を、徒手のみでなく、剣、杖で再現。
この「触れた時には終わっている」という感覚は、大先生との稽古で西尾先生は常に感じていたそうです。開祖に触れる時には、すでに開祖の体が入身に変わっていて、自分はやられている。そういう感覚を常に感じておられた西尾先生は、開祖が亡くなったあとも、その感覚を自らの身体のなかに置き続け、研鑽を続けられ、この本が生まれました。
西尾昭二 にしおしょうじ
1927(昭和2)年12月5日~2005(平成17)年3月15日。
青森県出身。
合気会8段。
1951年暮れに本部に入門。1955年頃より指導を始める。柔道、空手、居合道、杖道等の経験も豊富で、その各要素が氏の合気道に取り入れられている。北欧諸国やアメリカ、フランス、ドイツにおいて頻繁に指導を行なう。東京をはじめ神奈川、埼玉、千葉、長野、滋賀、愛媛、広島の各県および御殿場、北陸方面で指導した。
【 1 】 総論
理念 ―― 許す武道
基本的技術 入身一足
入身について
・立ち方/相手に正しく正対する/横面と正面の立ち方/剣と杖であらわす入身のさばき
当ての知識
・合気道でよく使われる当ての種類/エンピの基本の動きとその応用/当ての使用例
禊の剣
・立ち方
本書で紹介している合気道の稽古体系
【 2 】 技術編
逆半身
・回転投げ/片手取り二教/前方下崩し二教/手を取らせず三教/片手取り小手返し
相半身片手取り
・四方投げ/小手返し/三教
袖取り二技
・小手返し/両袖取り二教
肩取り面打ち
・四方投げ/ニ教/三教
正面打ち
・側面入身投げ /四方投げ(表)/一教(表)/二教(裏) /三教(裏抑え)/締め技
横面打ち
・入身投げ/四方投げ/五教/二教/小手返し
(B5判 ソフトカバー 206ページ)